お知らせ 独立行政法人 理化学研究所
理化学研究所に対する国際的な外部評価委員会
「第6回理化学研究所アドバイザリー・カウンシル(RAC)」の報告書について
平成18年11月7日
◇ポイント◇
  • 理研の研究水準は世界最高峰の研究機関に匹敵
  • 透明で裾野の広い統治の仕組を構築、研究所運営でも大きく前進
  • 国際的な指導力発揮の時期に突入、「ブランド」の構築、国際的認知度などに期待
 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)の活動に対する、国際的な外部評価委員会(第6回理化学研究所アドバイザリー・カウンシル(RAC))の議長ザック・W・ホール教授(カリフォルニア再生医科学研究所・所長)からの評価結果が、理研に提示されました。理研の研究の質が、世界最高峰の研究機関に匹敵し、科学の間口の広さも十分などとした結果がまとめられました。
 報告書では、「理研の研究の質は群を抜き、米国の国立衛生研究所(NIH)、イスラエルのワイツマン科学研究所、ドイツのマックス・プランク協会、英国の医学研究会議(MRC)、フランスの国立研究機関CNRSやINSERMなどの世界トップクラスと並ぶ」と評価しています。さらに研究所の経営改革についても、「野依理事長は強固な助言委員会を組織し、“トップダウン”と“ボトムアップ”の管理をバランスよく組み合わせた透明で裾野の広い統治の仕組みを作り上げた」と経営陣の主導で改革にも力を発揮していると分析されています。
 さらに、「理研が展開している日本の科学コミュニティに対して、次世代スーパーコンピューターなどの大型共用設備を提供するという新しい役割を支持する」との評価がある一方、「その利用に関する科学的戦略を慎重に立てる」ことの要請がありました。
 こうした評価とともにさらに発展するための課題として、「国際的科学のコミュニティで卓越性を示し、指導力を発揮する時期にきており、有能な人材を世界からリクルートする努力を強め、国際的な理研“ブランド”の構築、国際的認知度の増加、さらにはアジアとの連携の強化などと取り組む必要性」が指摘され、また、研究基盤においては、「“革新的科学の拠点”として成長させ、大学や他の研究機関との連携強化を図ることも重要」と指摘されました。
 第6回RACの報告書の全文は、ここから(英文本文PDF和文仮訳PDF)ダウンロードできます。


1. 背 景
 独立行政法人理化学研究所は、自らの研究活動のレベルを知り、運営の評価をするために、特殊法人時代から個々の研究活動・研究プログラムごとの外部評価を進めてきました。また、中央研究所や横浜研究所ゲノム科総合研究センターをはじめとする各研究組織の運営については、個別にアドバイザリー・カウンシル(AC)を設けて助言を求めています。これに対し、RACは、理研全体としての活動と運営全般に対してレビューを行い、理事長へ提言を行うもので、理研はこの提言に対する対応を検討・実践しながら、研究所運営に役立てています。
 平成5年の第1回RACの後、平成7年、平成10年、平成12年と開催し、最近の第5回RAC(平成16年)では、理研の将来に対する科学的展望(Scientific Vision)の構築、科学的展望に基づく科学的統治(Scientific governance)の実現、理事長の役割の強化、技術移転の枠組の再点検といった点などについて提言を受けました。これらの提言を受け、研究プライオリティー会議の強化、理研アドバイザリーボードの創設を始めとする理事長へのアドバイザリー機能の強化、理事長裁量経費の創設による理事長の役割の強化、平成17年4月の知的財産戦略センターの創設など、その後の研究所運営に反映しています。


2. 第6回RACについて
 今回の第6回RACは、平成18年6月7日〜9日の3日間、東京都内で開催され、多様な分野をカバーする国内外の世界的科学者が委員として参加しました(委員名簿:別紙1)。

 第6回のRACでは、1)前回のRAC提言に対する理研の対応、2)理研の科学研究の全体の質と国際的地位、3)理研が開発・運営している共用施設などの外部研究コミュニティへの貢献度と今後の開発・運営計画、4)理研の国際的な認知度と存在感を増し、グローバルな研究機関に改革する方策、の評価・助言を主要議題としました。


3. RAC提言
新たな提言の趣旨は、下記のとおりです。

提言1a:科学と技術の強化
  • 「発見と革新」というセンター及び研究所の中核使命を守り育てること。
  • 研究所の方針やイニシアチブにより引き続き内部協力を支援・奨励すること。
  • 専門家を増員するとともに、簡単にアクセスできる理研全体の総合データベース、及び共通のデータスタンダード、データ公開方針を作り、理研のバイオインフォマティクスを強化すること。
提言1b:科学的統治の強化の継続
  • 科学的優先順位を決める手続をさらに強化すること。
  • 理研内の最高意思決定レベルで科学的価値観を強くかつ明解に表明すること。
  • 外部のアドバイザリー・ボードを広げて大学や研究機関の代表も参加するようにすること。
提言2:理研の科学系人材及び科学文化を充実させること
  • 女性科学者、特に日本人女性科学者の採用増を目指す、先を見越した努力を継続・強化すること。
  • ジュニア及びシニアレベルで日本人以外の人材を採用する努力を継続すること。
  • 理研全体で科学的事項や事務的事項の両方について英語の使用を増やすこと。
  • 国際大学院の開設の可能性を含め、理研で受け入れる大学院生を増やす最適な手段を検討すること。
提言3:社会に対する理研の貢献度を増すようにすること
  • 医療機関との提携を拡大し、理研の発見したものをさらに治療に活かせるようにすること。
  • 引き続き技術移転を進め、理研の発見したものが、有用な製品や経済活動を通じて社会に役立つようにすること。
  • 一般市民に科学と理研について知ってもらう教育活動を拡充すること。
  • 科学分野においてアジア諸国と連携関係を築くこと。
提言4:理研の認知度と国際的地位の向上
  • 必要に応じて外部のコンサルタントや専門家を起用してコミュニケーションを支援・拡大すること。
  • 世界に向けて理研の認知度を高める努力を強化すること。
  • 強力な理研「ブランド」を構築すること。
  • 理事長が理研の国際大使として力を発揮すること。
提言5:理科系文化と人文系文化の交流の推進
  • 理研の様々なセンターや研究所、キャンパスでコンサートや展覧会といった文化的催しを推進すること。
  • 科学の価値観や実際について、又好奇心や美学、「日々の生活や宇宙の意味や構造を明らかしたい」という欲望など、人間的な価値観を満足させる「人間」事業としての科学について、もっと広く日本の文化層を啓蒙する構想を継続すること。


4. 今後の期待
 理研は、今回報告された数々の提言を真摯に受け止め、出来るだけ迅速に対応策を検討し、年度内にはRACに対して報告する予定です。こうした検討結果を当研究所の今後の組織運営に適切に反映させ、更なる発展を目指していきます。


(問い合わせ先)

独立行政法人理化学研究所 経営企画部評価推進課
  前川 治彦

Tel: 048-467-9249 / Fax: 048-467-8091

(報道担当)

独立行政法人理化学研究所 広報室 報道担当

Tel: 048-467-9272 / Fax: 048-462-4715
Mail: koho@riken.jp
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