当研究所は自然科学に関するわが国唯一の総合研究所として、1917年の創立以来、研究者の自由な発想と柔軟な研究運営の下で、物理学・工学・化学・生物学・医科学などの幅広い分野において多くの研究成果をあげてまいりました。
毎年、当研究所の研究成果をご理解いただくため、講演会を開催してまいりましたが、中期計画期間中の2008年〜2012年の間は、健康・環境・エネルギーといった、人類に深くかかわる諸問題に対して、当研究所が果たすべき役割を科学講演会という場を通じて、発信してまいります。
4年目となる今回は「人類社会と科学〜脳とこころ〜」と題し、脳の解明が意味すること、そして、ことばの獲得や現代人の疲れ、プロ棋士の直観など、さまざまな角度から脳とこころに迫ります。
多くの方々のご来場を、心よりお待ちしております。
| 日時 | 2011年11月26日(土) 14:00〜17:30 (開場13:30) プログラムはこちらをご覧下さい |
|---|---|
| 開催場所 | 丸ビルホール 東京都千代田区丸の内2-4-1 丸ビル7階 |
| 参加費 | 無料 |
| 申し込み方法 |
定員に達したため、お申し込み受付を締め切りました。 たくさんのお申し込み、ありがとうございました。 |
| 主催 | 独立行政法人 理化学研究所 |
| 後援 | 文部科学省 |
| 問い合わせ先 |
独立行政法人 理化学研究所 広報室 林・新井 埼玉県和光市広沢2-1 TEL 048-467-9443(直通)/ FAX 048-462-4715 |
| 13:30 | 開場 |
|---|---|
| 14:00〜14:10 | 開会挨拶 野依 良治 理化学研究所 理事長 |
| 14:15〜14:50 | <特別講演> 脳の解明は何を解明するのか 黒崎 政男
東京女子大学
現代教養学部教授(哲学) 脳科学の進展にともない、人間のさまざまな心的機能が脳の状態によって説明されようとしています。例えば、「直観的に分かった!」という意識状態は、そのとき脳のどの部分がどんな状態になっているのか、など、これまでは神秘的な次元で語られていたことが、脳というモノのメカニズムとの関連において語られるようになってきたのです。意識とはなにか、意志とはなにか、知能とはなにか、など、言うなれば「私とはなにか」について、従来の哲学をはじめとする人文系学問が追求してきたのとは別の観点から、興味深い知見が与えられつつあります。それでは、脳の解明とは、一体、何を解明していることになるのでしょうか。それは<私という一人称>を<脳という三人称>で置き換えていく作業なのでしょうか。このような問題を考えてみたいと思います。 |
| 14:55〜15:30 | 赤ちゃんのことばの獲得から脳とこころにせまる 馬塚 れい子
言語は、人間が持つ最も高度な認知スキルだと言っても過言ではありません。にもかかわらず、赤ちゃんは生後2,3年の間に特別な訓練をしなくても自然に言語を獲得してしまいます。この時期の赤ちゃんは、記憶や処理のスピードなど学習に必要だと考えられているほかの認知スキルはまだまだ未発達です。このことから、赤ちゃんがことばを学ぶときの学習は、ほかの領域の学習とは少し違った学び方をしているかもしれないと予想されます。本講演では、特に生後1年ぐらいの間に赤ちゃんがどのようにして周りの大人が話す言葉の特性を学んでいくかを探求する研究の最前線を紹介し、赤ちゃん研究からどのように人のこころに迫るかについて議論したいと思います。 |
| 15:30〜15:45 | 休憩 |
| 15:45〜16:20 | あなたの疲れ、長く続いていませんか? 片岡 洋祐
疲労は生命維持に必要な三大アラーム(痛み・発熱・疲労)の一つで、「身体を休めなさい」という大切なシグナルです。また、疲労が蓄積するとさまざまな物事に対する意欲まで低下することもわかっています。しかし、現代人は常日頃から心身に大きな負担を抱えながら生きることを余儀なくされています。調査によると、わが国では40%近い国民が慢性的に疲労感を自覚しているといいます。また、少し活動するだけできつい疲労からなかなか回復できない原因不明の“慢性疲労症候群”という疾患も大きな問題になっています。私たちが疲労するメカニズムはどこまでわかってきたのでしょう。慢性的な疲労に陥らないための方策はあるのでしょうか。本講演では、脳内の分子を体の外から観察できるPETなどの分子イメージング技術を用いた疲労に関する最新科学研究を紹介しながら、疲労しにくい社会のあり方や生き方について考えていきます。 |
| 16:25〜17:00 | エキスパートの直観を司る脳の仕組み 田中 啓治
エキスパートは素晴らしい能力を持っています。エキスパートの分野はいろいろですが、共通して、その優れた能力が自動的で無意識の素早い処理(直観)能力に依存することが指摘されています。私達は、将棋のプロ棋士が与えられた盤面に対する最善手を直観的に思いつく能力に注目し、プロ棋士とアマチュア棋士の脳活動の比較を行いました。その結果、プロ棋士に特異的なふたつの脳活動を見いだしました。第一は将棋盤面を素早く認識するときに起こる頭頂葉の活動であり、第二は認識した盤面での最善手を直観的に思いつくときに起こる基底核の活動です。プロ棋士は10年以上の集中した日ごとの訓練によりこれらの神経回路を発達させたと思われます。 |
| 17:05〜17:30 | 質疑応答 |
| 17:30 | 閉会 |

丸ビルホール
東京都千代田区丸の内2-4-1 丸ビル7階
- JR東京駅丸の内南口より徒歩1分
- 東京メトロ丸の内線東京駅より直結
- 東京メトロ千代田線二重橋前駅より直結

