理化学研究所(野依良治理事長)オミックス基盤研究領域(OSC、林崎良英領域長)は、2009年度にスタートした文部科学省「革新的細胞解析プログラム(セルイノベーション)」における「次世代シーケンス拠点整備および運営」に採択されました。
セルイノベーションは、文部科学省ゲノムネットワークプロジェクト※1などで得られた成果や基盤を活用しつつ、革新的な解析能力を持つ高速シーケンサーによる大規模・多面的なゲノム情報の解析や細胞のイメージングなどの手法により、細胞・生命プログラムの解読を目指すものです。シーケンス拠点は、多様かつ大量のデータを取り扱うデータ解析拠点(情報・システム研究機構国立遺伝学研究所に決定)と緊密に連携して、先導研究を強力に支援します。
次世代シーケンサーは、一回の稼働で産出するデータ量が極めて大きいだけでなく、前処理の技術を組み合わせることで多様な情報を得ることができるため、最近の生命科学分野おいて革新的なツールとなっています。各国の主要なゲノムセンターは、2005年頃から集中的な次世代シーケンサーの配備を進めてきました。次世代シーケンサーは、これからの生命科学研究において必須の設備であり、わが国においても、集中的に導入して利用技術を開発するとともに、性能評価を行うことが望まれてきました。
これまで、理研OSCは、ゲノムネットワークプロジェクトの中核機関として国立遺伝学研究所と一体となって、次世代シーケンサーを活用したゲノムワイドなデータ生産・解析を行ってきた実績があります。2009年4月20日には、セルイノベーションにつながる成果として、CAGE法※2に基づく転写制御ネットワーク※3解析や新規RNAの研究に関する一連の論文が米国の科学雑誌『Nature Genetics』の特集号に同時掲載されました(2009年4月20日プレスリリース)。
今回、「シーケンス拠点」に採択されたことから、これまでに蓄積した技術とノウハウをさらに高度化し、再生医学や創薬にもつながる生命科学研究の基盤の構築に向けて本格的に動き出します。