3個目の113番元素の合成を新たな崩壊経路で確認
-新元素発見を「確定」する成果で、日本発の元素命名権獲得へ-
報道発表資料
「元素周期表に日本発の名前を書き込む」という日本の科学者の夢が、また一歩実現に近づきました。
理研仁科加速器研究センターの森田准主任研究員らの研究グループは、8月12日、3個目の113番元素の同位体「278113(質量数278)」の合成を確認しました。2004年、2005年に続く発見ですが、前の2個とは異なる新しい崩壊経路をたどったことが大きな意味をもっています。これまで観測してきた2個の113番元素は、連続4回のアルファ崩壊を起こし、その後2つの原子核に分裂しました(自発核分裂)。ところが、今回はさらに2回、合計6回の連続したアルファ崩壊を起こしました。
新元素の合成を証明するためには、その元素が崩壊した後、既知の原子核に到達することが重要です。そしてできるだけ多くの観測数が求められます。研究グループは、2個目の合成を確認した時、国際機関に113番元素発見の優先権を主張しましたが、認められなかったのもこうした理由からです。また、4回目のアルファ崩壊でできた原子番号105のドブニウム(262Db)は、自発核分裂かアルファ崩壊することが分かっていましたが、2個とも自発核分裂しか観測できていませんでした。
今回、3個目の113番元素の確認に成功しただけでなく、6回のアルファ崩壊によって既知の原子核であるボーリウム、ドブニウム、ローレンシウム、メンデレビウムに到達しました。また、ドブニウムがアルファ崩壊する様子も観測できました。
これらは理研が確かに113番元素を合成したことを示しています。元素周期表113番の席に日本発の名前が刻まれる日が必ず来ると信じています。