広報活動

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2011年10月27日

独立行政法人 理化学研究所

ヒトZIP13が二量体を形成して亜鉛トランスポーター機能を発揮

-亜鉛代謝異常に起因する疾患解明と治療方法開発に貢献-

ヒトZIP13タンパク質

亜鉛はヒトの生命活動に必須な元素であり、体内の亜鉛濃度の変化が一定値を超えると、成長遅延や骨代謝障害、免疫不全などの病気をもたらします。亜鉛の濃度は、亜鉛トランスポーターという膜タンパク質によって制御されています。しかし、その分子形態と亜鉛輸送のメカニズムはほとんど解明されていませんでした。

免疫アレルギー科学総合研究センターサイトカイン制御研究グループらの研究チームは、2008年に亜鉛トランスポーター「ZIP13タンパク質」が増殖因子の情報伝達制御に関わること、さらにヒトの遺伝病に関わることを発見しました。

今回、同チームはヒトZIP13タンパク質の生化学的な特徴について詳細に検討しました。 この結果、ヒトZIP13タンパク質が亜鉛濃度の上昇に関わる亜鉛トランスポーターであること、さらに亜鉛の輸送機能を担うと予想される二量体(2つの分子からなる複合体)を形成することを発見しました。今回の発見と、精製されたヒトZIP13タンパク質などの材料は、まだ明らかにされていない哺乳類の亜鉛トランスポーターの立体構造解析、亜鉛輸送メカニズムの解明、亜鉛トランスポーターの機能不全や亜鉛代謝の異常による疾患の治療法開発を前進させる成果です。

独立行政法人理化学研究所
免疫・アレルギー科学総合研究センター
サイトカイン制御研究グループ
上級研究員 深田 俊幸(ふかだ としゆき)
Tel: 045-503-7075 / Fax: 045-503-7054