Bリンパ球の免疫応答の様子をリアルタイムで可視化
-転写因子「Bcl6」を追跡、細胞分化の場所と細胞移動経路を特定-
報道発表資料
免疫機能に重要なBリンパ球やその手助けをするTリンパ球は、細菌やウイルスなどの外敵を根絶する抗体を長期に渡って作り出す免疫反応(胚中心反応)を起こし、生体を防御することが知られています。しかし、胚中心反応を担うBリンパ球やTリンパ球の細胞分化がいつ、どこで起こり、どのように胚中心に移動するのかは、これまで明らかになっていませんでした。
免疫・アレルギー科学総合研究センター免疫細胞動態研究ユニットらの共同研究グループは、胚中心反応を行うための細胞分化の場所を特定し、胚中心に移動するBリンパ球や、その働きを助けるTリンパ球の様子をリアルタイムに可視化することに世界で初めて成功しました。研究グループは、胚中心反応に必須な転写因子であるBcl6に注目、組織切片の観察などによってBcl6の発現の詳細な追跡を行いました。
さらに、Bcl6機能が欠損したBリンパ球と正常なBリンパ球の細胞移動の違いを、二光子励起レーザー顕微鏡を使った生体ライブイメージングで明らかにしました。その結果、Bリンパ球は胚中心の外側にある濾胞外縁部でBcl6の発現を開始、この発現によって胚中心へ移動することが分かりました。さらに、Tリンパ球も同様に解析した結果、 Bcl6の発現が上昇して細胞分化した後、徐々に低下し、免疫記憶をつかさどるメモリーT細胞に似た増殖停止などの特徴を備え始めることも明らかにしました。
これらの成果から、抗体の長期産生や免疫記憶形成を促進させる新しいワクチンの開発につながると期待できます。
独立行政法人理化学研究所
免疫・アレルギー科学総合研究センター
免疫細胞動態研究ユニット
ユニットリーダー 岡田 峰陽(おかだ たかはる)
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