2010年10月12日
独立行政法人 理化学研究所
外国語に母音を挿入して聞く「日本語耳」は生後14カ月から獲得
-日本人乳幼児とフランス人乳幼児の子音連続の知覚は発達で変わる-
報道発表資料
私たちは、母音や子音の組合せ、強勢、韻律などから言葉を聞き分けています。しかし、日本語に慣れ切ってしまうと、外国語を聞いたり、声に出したりするときに、外国語の規則を、親しんだ母語の規則に「修復」してしまいます。日本語には子音が連続する音節がないため、日本人は外国語を聞くとき、外国語の単語に架空の母音を挿入してしまう独特な「日本語耳」を持つようになります。これが外国語の音の聞き分けが苦手といわれている大きな理由と考えられています。
乳幼児は、生後間もないころは、母語にない外国語の音も聞き分けられますが、生後12カ月ごろになると聞き分けられなることが分かっています。しかし、音の並びの規則がどのように獲得されていくのかについては、よく分かっていませんでした。
脳科学総合研究センター言語発達研究チームらは、生後約8カ月と生後約14カ月の日本人とフランスの乳幼児各24人に「abna」、「ebzo」などの連続した子音が含まれる単語と「abuna」、「abuzo」のように母音を挿入した単語を聞かせて、乳幼児が弁別して聞いているかどうかを調べました。
その結果、生後8カ月まではどちらの乳幼児も弁別することができていたのに、日本人は生後14カ月までに子音の連続が含まれる単語と子音の連続が含まれない単語の音を区別して聞きとれなくなっていました。これまで修復はたくさんの語彙(い)を獲得したり、文字を学んだりした結果起こるものだと考えられていましたが、文字も知らない乳幼児期からすでに始まり、音の並びや規則を獲得していることを重要な発見することになりました。
独立行政法人理化学研究所
脳科学総合研究センター 心と知性への挑戦コア 言語発達研究チーム
チームリーダー 馬塚れい子(まづかれいこ)
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