外部連携

新規DNAアプタマーの探索方法 (理研No:23597)

発明者

平尾一郎、平尾路子 (生命分子システム基盤研究領域、核酸合成生物学研究チーム 兼 タグシクス・バイオ株式会社
横山 茂之 (生命分子システム基盤研究領域 領域長)

背景

近年、低分子化合物に代わる医薬又は診断薬の新たな有効成分として核酸アプタマーが注目され、その医療応用に向け、様々な研究開発が世界各国で進められています。核酸アプタマーは、それ自身が有する立体構造によってタンパク質等の標的物質と強固かつ特異的に結合し、その機能を阻害又は抑制することができる機能性核酸であり、通常はSELEX (systematic evolution of ligands by exponential enrichment)法と呼ばれるin vitroセレクション法(試験管内選別法)(図参照)によって、ランダムな塩基配列を含む核酸ライブラリーから標的物質に結合する核酸分子として製造されます。

従来、核酸アプタマーは、RNAアプタマーが広く検討されてきましたが、RNAは生体内で不安定であり、製造コストが高いことから、近年では、生体内で安定であり、かつ安価に製造できるDNAアプタマーに研究開発がシフトしつつあります。しかし、RNAアプタマーと比べて、DNAアプタマーを効率的に製造するのは困難でした。通常、SELEX法では、標的物質と核酸アプタマーが結合して形成される複合体を単離する方法として、標的物質を予め標識化しておき、その標識に基づいて標的物質をアフィ二ティ担体等に固定化し、これをDNAライブラリーと混合する方法が採用されますが、結合能の高いアプタマーが得られないことや、標的物質と固相担体の双方に結合したDNAも得られてしまう結果、バックグラウンドが高くなる等の問題がありました。

本技術の特徴

Figure Systematic Evolution of Ligands by Exponential Enrichment(SELEX)

弊所ではタグシクス・バイオ株式会社と共同で、標的物質との特異性及び結合性が極めて高い核酸アプタマー、特にDNAアプタマーを効率的かつ簡便に製造する方法を新たに開発することに成功しました。

これまで得られた結果では、本方法で製造したDNAアプタマーは通常のSELEX法で製造されたDNAアプタマーに比べ1000倍近い結合活性を示しています。本法は、転写因子等に対するDNAアプタマーの製造にも適しており、高い結合能を有するDNAアプタマーの取得が期待されます。

利点

  • 高結合活性を有するDNAアプタマーを簡便に製造することができる。

応用

  • 転写因子等をターゲットとした核酸医薬の開発

(2012年2月掲載)