外部連携

ガラスキャピラリによるX線偏向技術 (理研No: 23311)

発明者

田中 義人、伊藤 基巳紀、澤田 桂 (放射光科学総合研究センター)

キーワード

高輝度X線ビーム、全反射臨界角、キャピラリ束

背景

放射光のような高輝度X線ビームを試料に照射する際、ビーム方向が固定されているため、試料の位置、姿勢を制御することによって、その照射方向や照射位置を制御するのが一般的である。一方、試料をその周辺環境のため動かせない場合や、溶液試料のように傾けられない場合には、入射ビームの経路を制御する必要がある。そこで、ガラスキャピラリを用いて簡便にX線ビームの偏向や位置を制御する方法(図1)を模索しました。

技術の概要

X線はガラスキャピラリ中で全反射を繰り返し伝搬する。このとき、全反射臨界角が浅いため、キャピラリの曲率が制限され、その姿勢制御や、入力部の調整が容易でない。そこで、様々な曲率をもつキャピラリ束を用いることにより照射方向を制御する方法(図2:特願2011-44376)、および、程よい堅さのハウジングを施した長いキャピラリを用いる方法(図1,3:JST A-STEP FS探索タイプH23年度採択課題)を提案し、その実証を行いました。

ガラスキャピラリによるX線偏向技術ガラスキャピラリによるX線偏向技術
ガラスキャピラリによるX線偏向技術
ガラスキャピラリによるX線偏向技術

利点

  • 試料を固定したままX線照射位置を変えることができる。
    溶液試料の表面散乱測定などが可能に。
  • 一つの光源からX線を分配し搬送できる。
  • X線の波長を選ばない。(内壁で全反射する波長範囲であればよい。)

応用

  • 試料を固定した状態でのX線吸収率マッピング (図3)
  • 複数試料の同時X線計測
  • 高輝度X線パルス光の時間遅延制御 (図4)

発表

    「中空ファイバーによるX線ビーム方向および照射位置制御」、
    伊藤、松下、大路、中谷、 高橋、澤田、田中 第25回日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウム, 9p008 (2012)

(2012年3月掲載)