外部連携

次世代型DMA(微分型電気移動度分析器)の開発 (理研No: 22938)

発明者

折井 孝彰(イノベーション推進センター 有機光電子工学研究チーム)、工藤 聡

キーワード

ナノ粒子、次世代DMA、サイズ選別、平行平板型

本技術の特徴

ナノ粒子は、サイズに依存した新しい性質を現す材料としての応用が期待されています。DMA (Differential Mobility Analyzer:微分型電気移動度分析器)は、気相中に浮遊するナノ粒子のサイズを選別する装置として、材料開発、環境測定などの分野で広く利用されてきました。近年のナノテクノロジーの発展にともない、対象となる粒子は有機・無機のハイブリッド粒子や生体粒子等の様により多様な物質を含む傾向にあります。このような粒子の蒸気圧が高い物質、例えば、有機物成分などがDMAの分級過程で蒸発する場合には粒子のサイズ自体が変化してしまい、不正確なサイズ選別が行われる可能性があります。更に、その蒸発し易さは粒子の組成やサイズにも依存するため、予め予測することが困難な場合も多く、測定結果に対する慎重な分析が必要とされてきました。

この度弊所では、上記の様な問題を解決すると共にナノ粒子のより高精度なサイズ選別を可能にするため、二重円筒型の一つの分級層で構成されていた従来のDMAに対して、平行平板型の二層の分級層をタンデムに接続する構造をもつ次世代型DMAを考案しました(下図)。この次世代型DMAは3枚の電極により二層の分級層を構成するシンプルな構造に特徴があります。これにより1層目の分級過程でサイズが変わる粒子は第2層目で排除することができ、粒子の揮発性に起因する誤った粒径分布を与えることを防ぐことが可能になりました。また、分級層が多層になったことにより、ガスと粒子の分離性能の向上も期待できます。

更に、一方の分級層のシースガスの流れる方向を逆にすることにより、中間の電極の位置を上下に移動するだけで分級に必要なスリット間の距離を容易に最適化できるようになりました。このとき、DMA前後の装置の位置や配管を変更しなくて良いという利点もあります。

また、平行平板型DMAはサンプルガスの流路が短くできるという構造上の特徴もあり、特にイオンやクラスター級のナノ粒子の通過率を格段に向上させ、効率の良い選別や高感度な分析が可能になると期待されます。

次世代型DMA(微分型電気移動度分析器)の開発

(文献情報)

  1. 特願2010-021552

(2012年9月掲載)