外部連携

機能性核酸を安定化させる新技術 (理研No:22853)

発明者

平尾一郎(生命分子システム基盤研究領域、核酸合成生物学研究チーム)野澤巌(タグシクス・バイオ株式会社)他

背景

近年、siRNA、核酸アプタマー及びデコイ核酸のような機能性核酸が医薬又は診断薬として注目され、その医療応用に向けて様々な研究及び開発が進められております。しかし、核酸は、通常、生体内でヌクレアーゼ等の核酸分解酵素により分解され易いと言う問題があり、核酸医薬品の薬理効果を効率的かつ継続的に作用させる上では、安定化技術の開発は不可欠な課題となっております。
この課題を解決するために多くの安定化方法が報告されています。しかし、例えばダンベル型核酸は、二本鎖核酸断片の両末端をリンカー核酸等のループ構造で連結した後、環化させるための酵素反応の工程を経ねばならないため、製造コストが高くなってしまうと言う問題がありました。

技術の概要

RNAiコンストラクト

弊所とタグシクス・バイオ株式会社は、化学修飾を用いる事無く、天然の核酸のみでDNA、RNAの双方を安定化させる技術を開発しました。本技術で作成したRNAiコンストラクト(図中Construct 4)は従来の技術(21塩基のdsRNAの3’末端に2塩基突出があるもの(図中Control 1))のものより抑制効果が強く、核酸分解酵素耐性も向上させる事ができ、また、免疫反応の活性化も回避できます。

また、この技術を使用したコンストラクトは従来のTuschl I/II 、Kreutzer-Limmer I/II、Rossi (Dicerna)およびSaigo-Ui-Tei (siChimera)等の特許でカバーされているコンストラクトには含まれないと考えております。

本技術はDNAおよびRNA双方の安定化に寄与し、天然核酸のみの構成となっておりますので、非常に簡便かつ安価に合成が可能であり、様々な核酸医薬等の製造にとって優れたコストパフォーマンスを示すものと考えております。

利点

  • 化学修飾等を用いず、天然塩基のみで安定化する事が可能
  • 免疫反応の活性化が起こらない

応用

  • siRNA, 核酸アプタマー及びデコイ酢酸等の機能性核酸を用いた医薬又は診断薬

(2012年2月掲載)