外部連携

2本鎖RNA複合体を用いたRNA干渉法(理研No: :21927)

発明者

阿部洋、伊藤嘉浩、阿部奈保子(伊藤ナノ医工学研究室)

キーワード

RNA干渉、核酸医薬

本技術の特徴

RNA干渉は、がん、遺伝子疾患や感染症などさまざまな疾患治療における医薬品開発への応用が期待されている重要な現象です。しかし、RNA分子は細胞内のヌクレアーゼで容易に分解されてしまうため生体内で極めて不安定であることが医薬品開発における問題となっています。

2本鎖RNAの生体内での安定性を高めるための技術としては、非天然ヌクレオシドを導入したRNA鎖が開発されましたが、安定性は高くなるものの生物活性は下がってしまうことが問題でした。さらに、非天然ヌクレオシドが生体に与える毒性も未知であり、医薬品への応用は困難でした。

本発明者らは、2本鎖RNAの生体内での安定性を向上させるための別のアプローチとして、環状1本鎖RNA(ダンベル型RNA)を開発しました。このダンベル型RNAは、2本鎖RNAの両端がループ状に閉じているために、RNA末端がなくなり、細胞内においてダイサーなどの特異的酵素以外は、分解酵素エキソヌクレアーゼなどの基質となりにくく、分解されにくいという特徴を持ちます(Journal of the American Chemical Society, 129, 15108-15109 (2007)., WO2008/140126)。

さらに本発明者らは、このダンベル型RNAのステム部分を連結する2つのループ部分を、ポリアルキレングリコール、DNA、DNAとRNAのキメラ等とすることで、2本鎖RNA(siRNA)のみならずループ部分がRNAのみからなる環状1本鎖RNAやヘアピン構造を有する2本鎖RNA(shRNA)と比べてより細胞内または生体内安定性が向上させることができ、かつダイサーによるRNAの切断が阻害されないため、RNA干渉においてより持続的および徐放的な効果を発揮することができることを見出しました。

2本鎖RNA複合体を用いたRNA干渉法

(文献情報)

  1. PCT/JP2009/052945

(2011年6月掲載)