高屈折率ガラスのナノインプリントと光学素子応用 (理研No: 21531)
発明者
沖仲 元毅、塚越 一仁(基幹研究所 河野低温物理研究室)、青柳 克信 ほか
キーワード
高屈折率化、アスペクト比、高解像度
背景
ガラスの歴史は古く、紀元前4000年より前にエジプトやメソポタミアで二酸化ケイ素の表面を融かして作製されたビーズが始まりだと言われている。現在、ガラスの用途は多岐にわたり、ディスプレイ、レンズ、光ファイバー等に使用されている。ガラスの光学特性を示す指標のうち、屈折率は最も基本的な物性である。近年、デジタルカメラやカメラ付き携帯電話で、非常にコンパクトかつ軽量でありながら高精細、高画質を実現した製品が次々と実現されているが、これはガラスを高屈折率化した効果が大きい。しかし、ガラスは樹脂と比較すると、軟化点や粘度が高く、微細構造の成型に難があることが知られていた。
本技術の特徴
低温、低圧下で高屈折率ガラスに微細構造を成型する目的で、屈折率1.56のGlasia® (日本ペイント株式会社製)にZrO2微粒子とポリゲルマンを配合し、ガラス前駆体とした。これにより、それぞれの材料の屈折率が1.61と1.69に上昇した。これらの材料は、Glasia®単体と同様に、80℃、1MPaの低温、低圧下での成型が可能であり(図1)、光学特性に関しては、400~800nmの波長で70%以上の透過率を示した(図2)。 図3のようにGlasia®を高屈折率化させることにより構造性複屈折波長板に必要な高さ(アスペクト比)を小さくすることができる。例えば、ポリゲルマンを配合したGlasia®で高さ1000nm(アスペクト比4)となる。これは、合成石英を使った波長板と比較して半分の高さであり、成型の歩留まりの向上を期待できる。ポリゲルマンを配合したGlasia®に対して、1130nmの高さのLine & Spaceパターンを転写したところ、波長750nmで位相差0.25が得られ、1/4波長板としての機能を実証できた(図4)。
利点
応用
(2012年10月掲載)