有機-無機ハイブリッドガラスの低温ナノインプリント (理研No: 21276)
発明者
沖仲 元毅、塚越 一仁(基幹研究所 河野低温物理研究室)、青柳 克信 ほか
キーワード
低温熱ナノインプリント法、高スループットプロセス、高アスペクト比構造成型
背景
ガラスの微細加工技術は、光学素子、バイオチップ、ディスプレイなど多岐にわたる応用が期待されている。しかし、従来の加工手法ではリソグラフィー装置、成膜装置、エッチング装置などが必要となり高コストが課題となる。特に、超微細加工を目的に最先端のリソグラフィー装置を使用する場合には、装置の導入費用が数10億円にのぼる。一方、ガラスの直接ナノインプリントも試みられているが、高温プロセスであるためスループットが低いだけでなく、高粘度により高アスペクト比構造やナノメートルからマイクロメートルまで構造の一括成型が困難なことが知られている。
技術の概要
この課題を解決するため、Glasia®(日本ペイント株式会社製)をガラスの前駆体とした紫外線照射援用低温熱ナノインプリント法を開発した(図1)。Glasia®は、poly(methylphenylsilane) を主成分とし、シリコーン、増感材などを配合したゾルゲル材料である。この手法により、80℃以下の低温、1MPa以下の低圧で、50nm~25μmという約3桁異なる構造の一括成型が可能となった(図2)。成型後、熱処理まで行うとGlasiaR中の有機成分が揮発し、低融点ガラスと同等の特性が得られた。応用としては、図3に示されるように光学素子を中心に幅広い展開が期待される。
図1:プロセスフロー
図2:転写例
図3:応用例
(文献情報)
- 特許第4997550号
利点
- 低温、低圧下でnm~μmの成型が可能 (下記の点で従来法と比較して有利)
- 高スループットプロセス
- 高アスペクト比構造成型可
- コスト面で優れたSiモールドの使用
- 離型材として通常のSAM膜使用可
- 装置の初期導入費用を抑制
(2012年10月掲載)