細胞周期可視化プローブ “Fucci”(理研No:21145)
発明者
宮脇敦史、阪上-沢野朝子 (脳科学総合研究センター 細胞機能探索技術開発チーム)
正井久雄(東京都臨床医学総合研究所)
背景
細胞周期は生命現象をつかさどる“エンジン”に例えられ、多くの研究成果によりこのエンジンの制御メカニズムが解明されてきた。ところが、実際に顕微鏡下の細胞や個体を形づくる個々の細胞の細胞周期を「生きたまま知る」事は困難であった。これまで、細胞周期を観察する様々な技術が開発されて来たが、細胞周期の変遷を高感度に且つリアルタイムで観察できる技術は開発されていなかった。
技術の概要
弊所研究者らは、 ubiquitin-mediated proteolysisメカニズムおよび、蛍光タンパク質を利用して細胞周期インディケータ;Fucci (fluorescent, ubiquitination-based cell cycle indicator )を開発した。
Fucciは、APCcdhおよび SCFskp2複合体の基質であるGemininおよびCdt1が、細胞周期依存的にその発現パターンを変化させることを利用している。GemininおよびCdt1の断片を蛍光タンパク質に結合することにより、G1期あるいはS/G2/ M期を高感度にリアルタイムで観察できる。
また、Fucciは細胞周期自体には影響を及ぼさないため、培養細胞のみならず、マウスなどの個体にも導入することが可能である。
Fucciプローブを恒常的に発現するマウス
薬剤投与による細胞周期の変化
(文献情報)
- Cell, 132: 487-498 (2008)
- Chem& Biol, 15. 1243-1248 (2008)
- BMC Cell Biol, 12. 2 (2011)
利点
応用
(2012年1月掲載)