外部連携

フォトクロミック蛍光タンパク質 “Dronpa”(理研No:10572)

発明者

宮脇敦史、安藤亮子、水野秀昭 (脳科学総合研究センター 細胞機能探索技術開発チーム)

背景

オワンクラゲやサンゴ、イソギンチャクに由来する蛍光タンパク質を使い、生体分子をラベルし可視化する技術は広く普及している。しかし、一般的な蛍光イメージングは、蛍光シグナルの分布の定常状態を観察できるが、その動きに関してはほとんど情報をもたらさない。弊所で開発されたKaedeなどは、分子を光でラベルしてその動きを追跡することを可能にしたが、ラベル反応が不可逆的であり、ラベルの追跡が一回のみに限るという問題があった。生体分子は絶えず動いており、その動きは条件によって変化し、外界の刺激を受けると動きのスピードが変化する。そこで、生体分子の動きの変化を経時的に追うために、光ラベルが何回も繰り返してできる技術が求められてきた。

技術の概要

弊所研究者等は、キッカサンゴから発見したタンパク質を改変することにより、単量体で機能し、且つ異なる2つの波長の光でラベルと脱ラベルを自在に制御できるフォトクロミック蛍光タンパク質「Dronpa(ドロンパ)」を開発した。このタンパク質は、青色のアルゴンレーザー光(488 nm)の照射により蛍光を消すことができ、紫色の半導体レーザー光(405 nm)の照射によって蛍光を発することができる。

Dronpaは光照射によって 明暗状態を往来できる

Dronpaは光照射によって明暗状態を往来できる

488nmレーザー照射による消去後、 グレー部分を405nmレーザーで活性化し、 MAPKのEGFの有無による挙動を解析

488nmレーザー照射による消去後、グレー部分を405nmレーザーで活性化し、MAPKのEGFの有無による挙動を解析

ガラス基板上にDronpaを塗布し、488nm(矢頭)、 405nm(矢印)レーザー照射によって、繰返し 文字を描写

ガラス基板上にDronpaを塗布し、488nm(矢頭)、 405nm(矢印)レーザー照射によって、繰返し文字を描写

フォトクロミック蛍光タンパク質 “Dronpa”

(文献情報)

  1. 1.Ando R, et al. Science. 2004 Nov 19;306(5700):1370-3.

利点

  • 可逆的に蛍光状態をon / offできるため、同一細胞内で、生体分子の挙動を繰返し観察できる。

応用

  • 生体分子の挙動を指標とした医薬品のスクリーニング

(2012年1月掲載)