外部連携

フォトコンバーチブル蛍光タンパク質 “mKiKGR”(理研No: 10206)

発明者

宮脇敦史、水野秀昭 (脳科学総合研究センター 細胞機能探索技術開発チーム)

背景

オワンクラゲやサンゴ、イソギンチャクに由来する蛍光タンパク質を使い、生体分子をラベルし可視化する技術は広く普及している。しかし、一般的な蛍光イメージングは、蛍光シグナルの分布の定常状態を観察できるが、その動きに関してはほとんど情報をもたらさない。弊所ではこの問題を解決するため、任意の時期に任意の細胞を特異的にマーキングすることができる蛍光タンパクKaedeを開発した。これは、紫外光によって蛍光が緑から赤に変換する特性(photoconversion)を有する。しかし、Kaedeは四量体のタンパク質であるため、細胞内において任意のタンパク質の挙動を解析するツールとしては使用できなかった。

技術の概要

弊所研究者等は、イシサンゴの一種であるキッカサンゴから発見したタンパク質を改変することにより、単量体で機能し、紫外光照射によって吸光および蛍光特性が変化するフォトコンバーチブル蛍光タンパク質「mKiKGR」を開発した。このタンパク質は通常は505nmに励起極大、520nmに蛍光極大を持ち、緑の蛍光を発する。しかし、紫外光を照射することにより、360nmと580nmに励起極大、590nmに蛍光極大を持ち、赤の蛍光を発するようになる。フォトコンバージョン前後の蛍光のピーク波長が十分に離れているため、同一細胞内で緑と赤の蛍光分離が可能であり、任意のタンパク質の挙動を解析する強力なツールとなる。

Photoconversion 前後のmKiKGR

Photoconversion 前後のmKiKGR

ラット初代培養アストロサイトにmKiKGR-βactinを導入。黄色枠内に紫外光を照射した。

ラット初代培養アストロサイトにmKiKGR-βactinを導入。黄色枠内に紫外光を照射した。

(文献情報)

  1. Tsutsui H, et al. EMBO Rep. 2005 Mar;6(3):233-8.; Habuchi S, et al. PLoS One. 2008;3(12):e3944.
  2. Tsutsui H, et al,. Chem Biol. 2009 Nov 25;16(11):1140-7.

利点

  • 単量体のフォトコンバーチブル蛍光タンパク質であり、任意のタンパク質の挙動を局所的に解析することができる。

応用

  • 生体分子の挙動を指標とした医薬品のスクリーニング

(2012年1月掲載)