2019   2018   2017   2016   2015   2014   2013   2012   2011   2010   2009   2008   2007   2006


2008.2.21  「平成19年度後期 研究報告(5)」   田村 雅史

2008.2.14  「平成19年度後期 研究報告(4)」   山本 貴、田嶋 陽子

2008.2.7  「平成19年度後期 研究報告(3)」   田嶋 尚也、小林 恵

2008.1.31  「平成19年度後期 研究報告(2)」   久保 和也、福永 武男、高坂 洋介

2008.1.24  「平成19年度後期 研究報告(1)」   山本 浩史、川椙 義高

2008.1.17  「マルチフェロイック物質」  山本 貴
強誘電と強磁性を発現するマルチフェロイック物質の研究が活発になっている。我々が、普段接している有機導体にも、必ずしも縁遠いとは限らない。
まずは、強誘電であることを示すため、実質的に必須な、光学的手法による方法論を中心に研究の流れを紹介する。次いで、多自由度が織り成す物性の起因を考察した論文の中でも、興味深いものを紹介する。

2008.1.10  「分子結晶のフォトクロミズム」  福永 武男
不飽和結合を含む化合物からなる分子結晶の中には,結晶状態を保持したまま光や熱によって環化や重合等の反応を起こすいくつかの例が知られている(固相反応)。
本セミナーでは,このような固相反応のうちフォトクロミック反応を起こす化合物について紹介する。反応前後の色や形状の変化とその分子構造の比較,機能材料としての応用の可能性について議論する。

2007.12.20  「擬二次元有機導体における超伝導相と電荷秩序相の関係について/Relationships between superconducting and charge ordering phases in two-dimensional organic conductors having α- and β”-type molecular arrangements」  近藤 隆祐/東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻相関基礎科学系
講演者の属するグループでは、電荷揺らぎ媒介の超伝導の探索を目的として擬二次元有機導体における電荷秩序相と超伝導相の関係を構造物性の観点から研究している。対象はα型及びβ”型分子配列を持つ有機導体であり、これまでの研究によって以下の様な特徴を持っていることが明らかとなった。
・バンドが3/4-filledであり、電荷秩序相及び超伝導相をもつ塩が存在する
・これらの分子配列の塩ではバンド計算によって大きな一次元フェルミ面が得られるが、これがNestingすることによってCDW相を発現する塩が存在する。また、このCDW相は超伝導相に近接している
・一軸性圧縮や静水圧力印加によって発現する電子相の制御が可能である
講演においては、これらの有機導体の静水圧力や一軸性圧縮下における電気抵抗測定と構造解析の結果を基に、これらの電子相間の関係や制御パラメーター及び今後の課題等について議論する。

2007.12.18  「Strong correlations in organic charge transfer salts: superconductors, Mott insulators, bad metals and spin liquids」  Dr. Ben Powell/the University of Queensland, Australia
I will discuss superconductivity in a class is the quasi-two-dimensional organic charge transfer salts (BEDT-TTF)2X, particularly the κ, β, β'' and λ phases. The phenomenology of the superconducting state is still a matter of contention. I will critically review the experimental situation [1], focusing on the key experimental results that may distinguish between rival theories of superconductivity, particularly probes of the pairing symmetry and measurements of the superfluid stiffness. I will then discuss some strongly correlated theories of superconductivity, in particular the resonating valence bond (RVB) theory of superconductivity [2]. I will show that this theory predicts that magnetic frustration can drive the superconductor into a state with broken time reversal symmetry [3]. I will also discuss the relevance of this theory to another class of organic superconductor namely the β'-[Pd(dmit)2]2X family.
[1] B.J. Powell and R.H. McKenzie, J. Phys.: Condens. Matter 18, R827 (2006).
[2] B.J. Powell and R.H. McKenzie, Phys. Rev. Lett. 94, 047004 (2005).
[3] B.J. Powell and R.H. McKenzie, Phys. Rev. Lett. 98, 027005 (2007).

2007.12.13  「静電場による電子状態の制御」  川椙 義高
電界効果によって物性を変化させる試みは古くから行われており、シリコンを用いた電界効果トランジスタは現代エレクトロニクスの主力素子となっている。
しかし電界をかけるには良質な試料/絶縁膜界面が必要なため、シリコンを中心とした半導体以外に対するキャリア注入は最近まであまり行われていなかった。
近年、技術の進歩にともない様々な物質について静電場を用いたキャリアドープの研究が活発になってきたので、セミナーではいくつかの研究結果を紹介する。

2007.12.6  「グラファイト・グラフィンとDirac電子」  田嶋 尚也
2005年くらいにGeimらが最初にグラフィン(グラファイト1層)を実現することに成功し、新奇の量子効果を発見して以来、グラフィンが多大な注目を浴びているのは言うまでもないだろう。グラフィンとはグラファイトを1層だけにして層間の相互作用をなくすことで線形分散型のバンド構造をもつゼロギャップ状態が実現されたものであるが、興味はそのバンド上に存在する質量ゼロの電子(Dirac電子)が特異な物性を引き起こすことにある。
一方、グラファイトは層間の相互作用が強いために、電子と正孔の小さなフェルミ面をいくつか持つ半金属であるが、フェルミエネルギーから少し離れたところに線形のバンドを持ち、質量ゼロのDirac電子が存在することが知られている。
最近、グラファイトでバンド構造やランダウレベルを直接観測し、質量ゼロのDirac電子について議論した例が幾つか報告されたので、セミナーではおそらくそれらについて簡単に紹介するだろう。

2007.11.8  「分子性導体X[Pd(dmit)2]2 (X=EtMe3P, EtMe3Sb)の13C-NMR」  伊藤 哲明 /京都大学大学院 人間・環境学研究科
強相関電子系超伝導のほとんどは磁気秩序相に隣接して実現しているが、表題物質EtMe3P 塩(P21/m相)においては、スピンギャップ絶縁相と超伝導相が隣接している可能性が指摘されており、超伝導の発現機構に興味が持たれる。
本セミナーでは、最近の圧力下NMR実験により明らかにした、この系の相図並びに圧力下金属相の性質について報告し、超伝導発現機構との関連を議論したい。(現在進行形のテーマですので、はっきりとしたストーリーがまとまっている部分もあれば、そうでない部分もあります。皆様の忌憚のない御意見、ディスカッションをいただければ幸いです。)
また、EtMe3Sb塩においては、常圧において三角格子スピン系が形成されているが、スピンギャップ、磁気秩序は低温(1.37 K)まで観測されず、スピン液体状態が実現していると考えられる。時間が許せば、この結果についても紹介したい。

2007.11.1  「無機ナノ構造体を用いた材料開発の現状」  久保 和也
近年、ナノデバイスの開発を目指し、様々なナノチューブ、ナノロッドなどの様々なナノ構造体が精力的に研究されている。そこで本セミナーでは、無機物(SiO2, InP, SiCなど)から構築される様々なナノ構造体の構造および物性を紹介する。またFED (Field Emission Display)を例に、これらの実用化への可能性も検討する。

2007.10.25  「On current issues in the chemistry and physics of intermolecular interactions」  Dr. Patrick Batail/Anger大学(フランス)
This seminar is meant to discuss current issues where the chemistry and physics of intermolecular interactions, notably hydrogen and halogen bonds, act in unison. It is intended to focus on a set of new paradigms and concepts presented at ISCOM 2007, and primarily related to the chemistry of band filling in molecular metals, with the purpose of looking ahead and underline opportunities like in using functional molecules for manipulating the Fermi surface topology; or for the manipulation of the chemical activity at the organic-organic interface in radical cation salts of polycarboxylates.

2007.7.19  「平成19年度前期 研究報告(3)」   小林 恵、高坂 洋介、久保 和也、川椙 義高

2007.7.12  「平成19年度前期 研究報告(2)」   田村 雅史、田嶋 尚也、田嶋 陽子、池田 睦

2007.7.5  「平成19年度前期 研究報告(1)」   芦沢 実、山本 貴、山本 浩史

2007.6.28  「ジカルボン酸−有機性塩基(1/1)化合物の構造と物性の研究」  福永 武男
有機分子性結晶中の水素結合は共有結合などと比較すると強固な結合ではないが、その結晶構造や分子配列を支配する重要な因子となる。
本研究は、ジカルボン酸‐有機性塩基(1/1)化合物の結晶構造をX線回折法によって求め、この系に特徴的な分子配列および水素結合様式を調べた。

2007.6.7  「スピントロニクスについて」  高坂 洋介
固体中の電子の電荷とスピンの両方を利用することにより、様々な興味深い現象を発現させることができる。これらのような概念はスピントロニクスと呼ばれ、低エネルギー、低コストなデバイス開発への応用が期待されている。
本セミナーでは具体例も交えつつ、スピントロニクスの現状について議論したい。

2007.5.31  「有機伝導体のホール効果測定」  田嶋 陽子
ホール効果測定は、キャリアの基本的な性質を知る一つの手段である。しかし、有機伝導体ではあまり調べられいないのが現状である。
本セミナーでは、ごく最近の有機伝導体で調べられた結果をいくつか紹介する。

2007.5.24  「Crystalline Paramagnetic Dithiolene Complexes:From Square-Planar Complexes with Secondary Coordination to Heteroleptic Cyclopentadienyl/Dithiolene Complexes : Spin Chains and Ladders, Antiferromagnets」  Dr. Marc Fourmigue/レンヌ大学(フランス)
要旨はこちら

2007.5.17  「量子力学的位相(化学と物理の共通言語?)─Berry位相,ソリトン,ゲージ場,統計変換─」  田村 雅史
波動関数のもつ位相phaseは、観測可能量ではないが、量子力学特有の効果をもたらす重要なものである。化学における結合や反応・共鳴などを規定するのもこの位相による干渉効果である。また、この位相を記述するには、位相幾何学的な(topologicalな)観点が有効で、これも異性体ほかconnectivityの問題として分子構造を論ずる基本である。
今回は、主にスピンに注目して、物性物理に現れる位相の役割について、全般的あるいは直観的な概念の一部を紹介する。
暗に言いたいのは、物理にせよ化学にせよ、バンドにせよスピンにせよ、波動関数の形をよく見ましょう、ということです。

2007.5.10  「鉄・硫黄クラスターの合成と物性」  山本 浩史
先日のシンポジウムでも紹介されていたように、生物の電子伝達系として代表的なものにヘムと鉄硫黄クラスターが挙げられる。このうちヘムを4つ有するシトクロームC3は、還元してやると実際に伝導体となることが知られている。
また、ヘムと類似の構造を持つフタロシアニンは、分子性導体の一種としてよく知られている。一方で鉄硫黄クラスターに関しては、酸化還元電位の測定は数多くあるものの、これまで電気伝導性に関する研究がほとんどなされていない。
そこで今回は、主に4核の鉄硫黄クラスターに的をしぼって、これを用いた分子性導体の可能性について議論してみたい。

2007.4.24  「基板上への分子のパターニング」  芦沢 実
電子デバイスを作成するうえで、基板上へ精度よく分子をパターニングする技術が必要不可欠となっている。
今回は溶液からパターニングする時に考慮する事項を基本的に紹介し、さらに最近の気相からの単結晶のパターニングを紹介して、今後のプロセスにあわせこむ為の 分子設計のヒントとしたい。

2007.4.17  今年度研究計画(各自レジメ)

2007.4.10  「Communicating Electrons: π-π, π-d and d-d in Molecular Materials」   Dr. Mohamedally Kurmoo/ルイ・パスツール大学(フランス)
In this talk I will present an overview of communication between electrons in molecular materials, both conducting and magnetic, with recent examples from our laboratory. In particular, I will spent some time on our recent development of magnetic materials using paramagnetic ions and organic and inorganic non-magnetic connectors.