日本語/English

花栗哲郎は実験機器開発が好きで、最近は特に低温超高真空で動作する走査型トンネル顕微鏡(STM)の開発を行っています。実験機器を作るにあたり、特殊な資材の入手、機械加工の依頼先、組み立てのちょっとしたコツなどに、いつも苦労します。これまでの経験で得た情報のいくつかをリストしました。「**についてもっと知りたい」、「こんなうまい方法もあります」等ありましたら、是非ご連絡ください。


STMユニットの図面

我々が使っているSTMの図面(PDF)です。ご意見、ご質問等、大歓迎です。
STM本体
探針、試料ホルダーとチャック

円筒ピエゾスキャナーの設計

STMを安定して動かすためには、ピエゾスキャナーの機械的共振周波数をできるだけ高める必要があります。また、ピエゾの先に探針ホルダーのような「重い」ものがつくと、共振周波数は大きく低下します。いろいろなPZTの材料で円筒ピエゾスキャナーを作ったとき、共振周波数とスキャン範囲を計算するExcelのワークシートを作りました。(使用する際は自己責任でお願いいたします。

超高真空配線用のハンダ付け

超高真空中での配線の固定はEpotek H20Eのようなデガスの少ない導電性エポキシを使えば良いのですが、やはりハンダ付けの方が作業はずっと楽です。しかし、伝統的なPb-Snのハンダは、蒸気圧が高く超高真空では使えない、といろいろな教科書に書いてあります。私は力があまりかからないところで、高温に弱いところ(ピエゾの電極への配線等)はインジウムを、その他の部分は超高真空でもOKらしいCastolin Eutectic 157を使ってハンダ付けしています。フラックスを使う必要がありますが、市販のフラックスは何が入っているか不明でちょっと気持ち悪いので、私は乳酸を使っています。CとHとOしか入ってませんし、強い毒性もなく、水で簡単に落とせるので便利です。

電線

特注の電線を少量注文するのはなかなか困難です。私は以下を利用しました。

セラミックスの加工

STMのボディの材料にセラミックスは良い選択だと思います。ただし、凝った設計をすると、加工が難しく(できなく)なります。私が使用しているSTMユニットの部品は次の会社に加工をお願いしました。

タングステンワイヤのカット

STMの探針にタングステンワイヤを電解研磨したものを使っています。しばしばタングステンワイヤをカットしたい場面に遭遇しますが、普通のニッパで切るとワイヤが「裂けて」しまったり、すぐに刃がボロボロになってしまいます。タングステンカーバイドニッパ(たとえばRSコンポーネンツ品番735-728 取り扱い中止のようです。他にも「超硬ニッパ」等で検索すると、何社かヒットするようです。)は高いですが、完璧に切れます。

極細電線の被覆剥き

MEISEI HOTweezers(R)安全貿易(株)から購入して使っています。テフロン被覆線には抜群の使い勝手です。ただし、ポリイミド被覆は上手に剥けません。ポリイミド被覆を上手に剥く方法をご存知の方、ご教示ください。
花栗哲郎のHPへ