社会知創事業

創薬生化学スクリーニング基盤ユニット

標的タンパク質の立体構造、細胞内での機能・制御に着目し、阻害活性化合物を高感度かつ迅速にスクリーニング

 創薬生化学スクリーニング基盤ユニットでは、創薬ターゲットに対して活性を持つ化合物を探索するために、酵素活性や結合活性などを指標とするin vitro の生化学評価とcell-based の化合物効力評価を、独自のアッセイ系や自動化ロボットなどを用いて実施します。
 フラグメントヒットを探索して創薬X線構造解析基盤ユニットや創薬NMR基盤ユニットでのFBDDを効率化するとともに、創薬分子設計基盤ユニットが選定した候補化合物ライブラリーや大規模な化合物ライブラリースクリーニングによるヒット化合物の探索や、創薬化学基盤ユニットが創生した新規リード化合物の評価、細胞毒性を指標としたこれら化合物の評価など、創薬の初期の段階での重要な役割を担います。

蛍光物質を使った新規スクリーニング技術の応用

 我々は、蛍光物質を使い、様々な創薬ターゲットに適した新規スクリーニング技術を開発しています(図1)。汎用性が高く、標的とするタンパク質に最も適した評価系を構築できるような各種のアッセイ系を利用して(図2)、微量試料や数万単位の化合物の阻害活性を高感度かつ迅速にスクリーニングできます。

蛍光物質を使ったスクリーニング技術

図1 蛍光物質を使ったスクリーニング技術

標的タンパク質に適したアッセイ系の開発

図2 標的タンパク質に適したアッセイ系の開発

フラグメントスクリーニング技術の応用

 独自の大規模な化合物ライブラリーを持たないアカデミアで、タンパク質間相互作用やタンパク質-核酸相互作用ターゲットのような、阻害剤探索の困難な高難度ターゲットに取り組む場合には、標的タンパク質に結合する分子量250竏驤€300 程度の化合物(フラグメント)を見つけてから、それらを組み合わせて高活性阻害剤を設計・合成するフラグメントベースドドラッグディスカバリー(FBDD)の手法が有用です(図3)。これまでに我々が確立してきたスクリーニング技術によって、フラグメント化合物から標的タンパク質と相互作用するものをスクリーニングし、これらの複合体を、X線結晶構造解析やNMR解析することで、効率よく複合体構造解析ができます(図4)。それらの情報を論理的に組み合わせて活性の強い分子量500程度の化合物を設計できます。

FBDDの概要

図3 FBDDの概要

c-Cblタンパク質を標的としたフラグメントスクリーニングの例

図4 c-Cblタンパク質を標的としたフラグメントスクリーニングの例

細胞を使った化合物評価法の確立

 癌細胞株と正常細胞株を用いた候補化合物の細胞致死活性測定を実施し、細胞レベルでの化合物の活性を明らかにします。また、使用する細胞株を選択することにより、候補化合物の作用点を探索することができます。さらに、フローサイトメトリーでのアポトーシス(図5)や細胞周期の解析、細胞内活性酸素種(ROS)の検出などを実施することによって、候補化合物の作用メカニズムの解明に貢献できます。

細胞を使った化合物評価の例

図5 細胞を使った化合物評価の例

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