多方向かつ段階的に進行する細胞分化における運命決定メカニズムの解明究領域略称:細胞運命制御

組織・研究内容

図1 細胞運命決定の機構
図1 細胞運命決定の機構

図2 造血細胞は多方向へ分化する
図2 造血細胞は多方向へ分化する

細胞の運命は、細胞外からのシグナルや内的要因によって変化する遺伝子発現によって決定される(図1)。遺伝子発現は、転写因子による転写調節と染色体ヒストンの翻訳後修飾によるエピジェネティックな調節を受け、ダイナミックに変化し細胞分化を規定する。

造血細胞は、1)多方向かつ不可逆的に分化すること(図2)、2)細胞の単離が用意であること、3)表面マーカーが多く同定されていることなど、細胞分化制御を解析する最もよい系といえる。また、骨髄異形成症候群などの分化異常によって引き起こされる造血器腫瘍を研究することも細胞分化制御の破綻という側面から細胞運命制御を解明するために有効である。

本領域の計画研究では、正常造血細胞の分化および正常造血細胞分化が破綻した造血器疾患において、転写制御、エピジェネティクス、さらに、これらのシステムに外界からのシグナルが与える影響を研究することによって細胞分化の分子機構を解明することを目指している(図3)。一方、公募研究では、造血系の研究に加え、モデル生物系の造血系や造血細胞以外の細胞の分化の研究も取り入れることによって、細胞分化の分子機構を統合的に解明することを目指す。

図3 領域の概要
図3 領域の概要

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